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No.
0 0-
悪い虫
M a r k i n g
目を覚まして気づくこと。
彼のパジャマは少し大きいから、肩がはだけたまま眠っていることが、よくある。今日も、手は無意識に、肌の冷たくなった部分を暖めようと動く。そして、ちょっとだけ寝返りを打ってみるけど、
「あれ……?」
二の腕のずっと上のほう、首を回してやっとみえるくらいのところが、一点だけ赤い。なぜだろう?不思議がってその部分を指で撫でていると、
「どうした?」
テーブルで雑誌を開いていた彼が、それに気づいてきいてくる。
「ん。何かね、赤い。」
まだ眠気が抜けないせいか、子供みたいな答えかたをしている……。
「何?」
その「何」を確認しに、彼がベッドの側に寄る。よいしょとオレの寝るベッドに腰掛けて、オレをみる。
「ここ。」
オレは右腕の一部を示して、彼をみる。
「ほら、赤い。」
「……。」
「ダニかな?でも、痒くないんだよね……。」
独りごとのように呟きながら、やっぱり気になって指で触ってみる。そのオレを、彼は「ふうん」ともいわずにしばらくじっとみていたが、
「それはな。」
唐突に。
彼は、右腕を撫でていた左手の手首を掴む。
「?」
そのままパジャマの袖を肘までたくし上げて、露わになった腕の真ん中のところにいきなり、ぱくっと?
「……。」
彼が口を離した部分に、見事に再現されたそれをみせられて、
「……こういうことだろ?」
「ああそういうこと??」
「……。」
……?
「うー。」(←威嚇)
「ゴメン……!」
金魚の水槽
無防備過ぎて御免なさい…。
しかしこのストーリー、口調さえ変えれば「誰かさん」に置き換えて考えられなくもなく…。嗚呼、コワイです。
※日付は、弊サイトでの掲示板掲載日です。
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