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0 0-
藪の中
M i s t e r y
モノを食うという行為には本性が現れ易い。
ってのは、確か蔵馬のコトバだったような気がするんだけど……。
オレは、コイツらに会うのはすげえ久し振りだ。
桑原はいつまで成長期なんだか、またひとまわりでかくなったし、そん隣に陣取る蔵馬、コイツはちょびっと髪が伸びたくらいで、全然変わんねえな。
久し振りっつうことで、ちったあ隔たりがあるのかと思ったりもしたんだが、そこはやっぱ「戦友」。しゃべり始めりゃ昔のまんまだから、何かホッとする。
けど。
やっぱり時が変えるというのモノが、あるらしい。
「ご注文の品はお揃いですか?……では、ごゆっくりどうぞ!」
(by ウェートレスのねえちゃん。)
「ねえ桑原くん。ピクルス頂戴?」
「んー?……ほれ。」
桑原、ピクルスの器を蔵馬のほうに寄せる。……まではよかった。
しかし。
「桑原くん、ベーコンあげるね。」
「おめえはー。肉は食いなさいよ。」
「あんまり脂っこいモノは食べたくないんだ。ご飯も少し食べない?」
「何だよ、そのくらい食えるだろ?」
「ダイエット中。」
「はあ??……おめえな、」
桑原、蔵馬の腹に触る。……ってオイ。
「このぺったんこのどこをダイエットするんだよ。え?」
「だから維持するんだよ。」
「は?そういうの、減らず口っていいましぇんか?」
「いいじゃない。好きなんでしょう?」
「へ……?」
桑原、なぜに固まる?
蔵馬、素っ気なく、
「ベーコンだよ……。」
「は。はあ、そうっすよね。ははは……。」
桑原、何その乾ききった笑い……。
と思ってる隙に、蔵馬、桑原の皿に色々乗せてる、断りもなく。
っていうかな。
「ほれ、その豚も、脂身んとこだけ食っちゃるから寄こしな。」
「うん。」
「飯は残ったら食ってやる。」
「ありがとう。」
と、いいながら、蔵馬。今何気にスプーン入れてるのって、おめえのじゃないだろ??
桑原あ……、蔵馬が勝手にスープ飲んでるぞお……。おーい。
「こぼれるからそっちに持ってけよ。」
「うん。」
なぜに何もいわん、桑原!?
それどころか、
「蔵馬。」
「何?」
「おめえ、エビ好きだろ?」
と、いいながら、桑原。フォークに刺さったエビを差し出し……?
「ほれ、あーん。」
……はあ?マジっすか!?どおしちゃったの、桑原くん??
「はぐ。」
って、おめえも何でもないコトのように食ってんじゃねえっ!!
「桑原くん、肘ついたら駄目だよ。」
「お?おお。」
おー……い。置いてかないでー……。
「あれ?どうしたの幽助?」
それをきくかぃ!?
「ありがとうございました。またお越しください!」
(by ウェートレスのねえちゃん。)
ってな具合に、オレを散々疲れさせた挙句、
「おおい浦飯ぃ。」
「……はひ?」
「ヒマだったらカラオケでも行かねえか?って、蔵馬が。」
「おごりますよ。(^-^)」
いえ、遠慮しときます。
「何だ、行かねえのか……。」
蔵馬、桑原にコソっと、
「……幽助、今日は調子が悪いみたいですね。さっきも食の進みが悪かったし。」
それ。違ーう違ーう……。
「んじゃ、ふたりで行く?」
「え。厭だよ。」
「何で?」
「だって桑原くん、カラオケ以外のことしたがるから。」
あー……のさ、チミたち。
「え?何?」(ふたり同時。)
「……おめえら、できてるだろ?(T_T)」
「……。」
「……。」
桑原、慌てて否定に入る分かり易い男。
「んなワケねえだろ!?な、変なこというなよバッカだね。ははははは……。」
蔵馬、何この唐突に流れる冷気?
「桑原くん……。」
「はは、は……。……あ、後ではなそ、な。」
しかも尻に敷かれてるし。
まあそんなこたあいいのさっ!
仲良きことは美しきことって、昔からよくゆーじゃねえか。
だから、真相がどうこうっていうはなしも、この際いい。そんなモン知りたがったら、なあ?オレだっておせっかいじいさんじゃねえんだから。
……。
要は、あのふたりに一番近しい奴にききゃあいいのさ。何だ、簡単じゃねえの。
っつうワケで、
「なあ。アイツら、つき合ってんのかな?」
バキッ!←折れる音
「……飛影、箸。」
「フ。」
金魚の水槽
まあ、ただ仲がよいだけなのだとは、思いますがね…。(謎)
※日付は、弊サイトでの初回掲載日です。(常駐用に改作しております。)
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