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あなたとキミとオレの主観  O h , M y F r i e n d s !


 後日──

蔵馬:ああ、いらっしゃい。
飛影:また貴様か。(桑原をみる。)
桑原:それはオレの台詞だ。おめえは蔵馬んチに何しに来るんだよ?
飛影:ふん、貴様の知ったことか。
桑原:(ぷち。)あんだとてめ。
蔵馬:ホラふたりとも、「オレのために」喧嘩しないでください。←何だと?

 (インターバル)

蔵馬:はいどうぞ。
飛影:何だこれは?
蔵馬:シュガーハウスのシュークリーム。前に「おいしい。」っていってたから、また買ってきてみました。……あなたは滅多にそういうことをいわないヒトだから。
飛影:よく憶えているな……。(煙たいヤツ。)
桑原:飛影はよく遊びに来るのか?
蔵馬:よくは来ないよ。それに、「遊び」だけで来ることは彼の場合あり得ない。でしょう?(目配せ。)
飛影:ふん。(余計なことをいわれるので余計なことはいわないようにしている。)
蔵馬:飛影とオレは、今はお金だけの関係だから。
桑原:ああ、社長と愛人の関係か?
飛影:ば、誰がアイジンだっ!
蔵馬:ただのジョーク。いちいち真に受けない。
飛影:貴様がおかしなものいいをするからだろうが!?
蔵馬:ごめん。(でも笑ってる。)ビジネスの関係っていうヤツですよ。請求した分を黙って支払ってくれたことはないけど。
飛影:おまえの見積もりは高過ぎるぞ。
蔵馬:あんまりツケが増えると、身体で払わせますよ。
飛影:……。(本当にやり兼ねない勢いなので返すことばがない。)
蔵馬:厭だな、冗談ですよ。(笑う。)
桑原:(っていうか冗談いってる顔じゃなかったし。)
蔵馬:ちょっと待ってて。
−蔵馬が机の引き出しから消しゴム大の石を取り出す。無造作に投げてよこしたそれは、緑色の軌跡を描いて飛影の手の中に──
桑原:何それ?
蔵馬:前に受けていた鑑定依頼。
飛影:それで。
蔵馬:ひとことでいうと、いい品物ですよ。石のままでも十分な資産価値がありますから、安心して、大切にお持ちください、とお伝えください。
飛影:つまり……。
蔵馬:贈る側にも、その価値に見合うだけの真意はある、そう捉えて間違いないでしょうね。
飛影:……。
蔵馬:いいことだと思いますけど?先方は済んだことはすべて水に流す、過去に目を向けるよりも、これからは建設的な関係を築きたいといってきているのでしょう?
飛影:水に流す、か。にわかには信じ難いが。
蔵馬:あなたにしては慎重ですね。
飛影:それは……、俺のことじゃないからな。
蔵馬:優しいんですね。(甘々な感じで?)
飛影:ばか、くだらん。(二人の世界??)
桑原:(もしもーし……?(やっぱり社長と愛人なのか?))
蔵馬:ああごめん、つまりね?
−石は躯の元に和議の名目で贈られた品である。
飛影:そういうことだ。(石を懐にしまう。)
桑原:わぎって。魔界って平和になったんじゃねえのかよ。
蔵馬:確かに体制は一度引っくり返ったけどね。ヒトの心はそう簡単に変わるものではない。恨みを買ったり買われたり……。それを、済んだことだと割り切って、許し合えるのが一番ですけど、まあ理想。実際は、時間に任せて解決をみるようなmatterは数少ない。
桑原:はあ。(マター?)で。その小っこい石は、高えのか?
蔵馬:「たけえ」かどうかは主観に因りますが。モノは魔界の二から四層目の北側の鉱山で取れる、カラーチェンジタイプの緑玉石です。珍しい品で、オレも数える程しかみたことがない。
桑原:へえ。
蔵馬:エメラルドはコチラの世界でも好まれる石だし、八カラット以上だから、……そうだな、通常通貨に換算すると三百万ってところかな?
桑原:さんびゃくまんっ!
蔵馬:……ああ、でも変色タイプだし、欲しいヒトだったら「かける三」しても安いっていうかな。
桑原:(きゅうひゃくまん……。)
蔵馬:まあ、四桁は手堅いか……。
桑原:(いっせんまん以上、あのちっこい石が。。。)な。ちょこっとみしてみ、飛影。
飛影:世話になったな。(無視して帰ろうする。)
桑原:こらてめ、無視すんな。
飛影:なぜ貴様にみせねばならん。
桑原:きこえてんじゃねえか。別にみるくらいいいだろう、減るもんじゃなし。
飛影:貴様に渡すと減る気がしてならん……。(しみじみ。)
桑原:ヘリクツをいうなヘリクツを!(飛影を捕まえる。)←すげえな桑ちゃん
飛影:何をするっ!
桑原:いいだろみせるくらいっ!(懐に手を入れる。)
飛影:殺されたいのか貴様!!
蔵馬:へえ……。(二人のじゃれる様子?を感心してみている。)
桑原:ぶへ!(張り倒される。)←当然だ
飛影:(何事もなかったかのように立ち去ろうとするが……?)
蔵馬:(何かいいたそうにしている。)
−なのできいてみよう。
飛影:……何がいいたい?
蔵馬:いえ……。あなたが桑原くんに身体を許すところを、まさかこんなところで目の当たりにするなんて……。
飛影:か。。。(身体を許すって何だ!!)
桑原:あ?それがどした?
蔵馬:オレの前では警戒線を解かないようなヒトが、誰かに身体を触らせて、しかもその相手がオレの知っているヒトだったりするから……。
桑原:はあ。けど、オレよりおめえのほうが飛影と仲良しなんだろうが。
蔵馬:(飛影から目を離さない。)でも、手当てする程度しか触れない。
桑原:(触りたいのか!?)
蔵馬:(飛影をみていう。)目の前でそんな風にみせつけられたら、百年の恋も冷めますね。
飛影:き、貴様は!俺の身体に触りたいかっ?そんなに、触りたいのかっ!?(自棄。)
蔵馬:触りたいです。(即答。)
飛影:ば……。(本当にやり兼ねない勢いなので返すことばがない。)

 しばらくお待ちください。

飛影:(気を取り直して。)……桑原が相手なら、いつでも体勢を逆転できる。無警戒になって当然だろう。
蔵馬:そうかな?(それだけかな?という意味。)

 補足:蔵馬はいつになく感情的になっているため、ことばが足りない。

飛影:(今度は何だ……?)
蔵馬:力の差からいえば、オレだってあなたより劣ってる。前は同じくらいだったけど、今はあなたのほうが強い。(だから答えとして充分ではない、といいたい。)
飛影:そうだな、それはおまえのいう通りだ。しかし、おまえには桑原にないものがある。
蔵馬:何、桑原くんにないものって?
−飛影、一生の不覚までカウントダウン。
飛影:「奸策」。
蔵馬:……。
飛影:あ。
蔵馬:あなたのこと、殺したくなった。
桑原:(何この寒い空気。。。)
蔵馬:桑原くん、コーヒーのお代わり、いる?
桑原:あ、いただきます……。(この笑顔はマジで怒ってるよー。)
蔵馬:ちょっと待っててね。(部屋を出る。)
飛影:……。
桑原:バカだねー。
飛影:ふん。
桑原:今のうちに帰っちまえば?
飛影:それができたら苦労はせん……。(ため息。)
桑原:あー……。

 (十分経過)

−蔵馬は桑原の勉強をみている。
蔵馬:ここ、過去分詞ね。例は前の頁。
桑原:はい。(何この重い空気。。。)

 (十分経過)

桑原:ハウ・カバー……。
蔵馬:'clever'だよ、桑原くん。
桑原:クレバー?
蔵馬:そ。意味はキミみたいなヒトのこと。
飛影:(思わずツッコミ。)おい、嘘を教えるな。
蔵馬:オレ、あなたに嘘吐いたことありましたか?
桑原:(おおいきなり来るよ。。。)
飛影:……。
蔵馬:オレの憶えている限りだから否定されても文句はいわないけど、あなたのこと、悪意を持って陥れたり、無闇に騙したりしたこと、ないですよね?
飛影:……ああ。
蔵馬:確かに嘘は吐くかもしれないけど、あなたを傷つけるような嘘は絶対に吐いたりしないって、自信を持っていえる。もちろんこれからだって……。
飛影:まだ怒ってるのか……?
蔵馬:怒ってはいない。ただ、今まであなたに「そんな目」でみられていたのかと思うと、居た堪れない気持ちにはなるんじゃないかな?
飛影:……。
蔵馬:……。
飛影:……俺が悪かった。
蔵馬:……うん。
桑原:(あらー?)
飛影:いちいちことばにしなくても分かると思うが、別に俺はおまえのことを悪賢いヤツだなどと思っ……。
桑原:あーらー?
飛影:……な、何だ?(今度はこいつか。)
桑原:あららららー?
飛影:だから何なんだっ!?
桑原:(蔵馬にいう。)なあ、オレ、身体とかはどうでもいいけど、飛影が謝ってくれんの、すんげえ気持ちよさそう。
蔵馬:そう?(とかいいながら満更でもない顔。)
桑原:だってよお、てめえに非があっても、ぜってえ謝んねえし。……オレ、そっちのほうが羨ましいかも。
飛影:(この二人は何のはなしをしてるんだっ!!?)
桑原:な、飛影。ちょっとこっち来て謝ってみ。
飛影:悪いことをしてないものを。なぜ謝らねばならんのだ?
桑原:じゃあ今だけ許す。悪いことしろ。それからオレに謝れ。
飛影:わけ分からんぞ。
蔵馬:(笑ってる。)
飛影:……何がおかしいんだ、貴様。
蔵馬:だって……。あんまり困らせちゃだめだよ、桑原くん。(^-^)
飛影+桑原:おまえが一番困らせてるんだろっ!

 お疲れさまでした。

蔵馬:請求書、月末でいい?
飛影:(身体でなのか?)
桑原:ハウ・クレバー・ユー・アー……。(あんたってなんて賢いのん?)


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飛影くん、モテモテです。ライバルが多いので頑張りましょう。(笑)
※日付は、更新後記より。(常駐用に改作しております。)

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