Date
2 0 1 0 - 0 3 - 2 1
No.
0 2-
企画崩れの対談
p e a c e f u l t i m e s
(その2)
ドアの張り紙には、ちょっとみ憶えのある字で『ゆうちゃんのへや』と書いてある。
蔵馬:う。まさか……。
入室してください。
蔵馬:失礼しま……っす。
幽助:おお蔵馬!久しぶりー……てか、何かいきなり疲れてねえか?
蔵馬:ははは……。気にしないでください。←ポーカーフェイス総崩れ
挨拶をしてください。
蔵馬:その前に。
幽助:は?(誰としゃべってんだコイツ?)
蔵馬:幽助。隣の部屋のドアの張り紙に、『むくろちゃんのへや』と書いたのは、あなたか……?
幽助:いやー、はは、バレたか。
蔵馬:(やっぱり……。)
幽助:やっぱ『むーちゃんのへや』にすりゃあよかったかな?あーけど、それだとちょっとキャラがなあ……。←悩む
蔵馬:(キャラって。。。)そういう悪戯をしていると、77レンジャーに張り倒されますよ。
幽助:は?(ななじゅーななれんじゃー?)
蔵馬:ああー、つまりこういうことです↓
一人目:イチレンジャー!
二人目:ニレンジャー!
三人目:サンレンジャー!
(中略)
七十六人目:ナナジューロクレンジャー!!
七十七人目:ナナジューナナレンジャー!!!
飛影:ふん、ばかばかしい。
幽助:ちょっと待て。飛影がイチレンジャーなんじゃないのか?
それ以前に、飛影はレンジャーではない。
蔵馬:うーん、どちらかといえば、タマムシレンジャーかな……?
幽助:???
蔵馬:それより、真面目なはなし、本当に久しぶりで。
幽助:ああ、まあ、生活の時間帯が合わねえしな。おめえも色々と忙しいんだろ?
蔵馬:そうですね。ありがたいことに、それなりに何とかやってます。
幽助:で。桑原とは、相変わらずつき合ってんのか?
蔵馬:つき合ってるって。。。
幽助:え、だって、デートしてんだろ、今でも。
蔵馬:普通に会っているだけです……。それこそ、時間帯が合いますから。
幽助:そうなのか。いや、オレはまたてっきり……。(と、ことばを濁す。)
蔵馬:……てっきりなに?
幽助:いやーその。おめえらはとっくに××な関係なんだと……。
蔵馬:(伏せ字!)
幽助:まー、それは冗談として。アイツも来てんだろ、ココ。
蔵馬:(冗談か。。ですよね……ホ。)ええ。ずっと端っこの部屋ですけど。会いたいですか?
幽助:や、会いたいって程でもねえけど。たまに顔みておかねえと、どんな顔してるか忘れちまうから。ああでも、無理なんだってな?
蔵馬:すみません、ルールなので。 ※隣合っている限り、行き来は自由=隣合っていなければ行き来できない
幽助:おめえが謝るこたあねえよ。今生の別れって訳でもなし。てか、今は人間界に住んでるし。
蔵馬:……。
幽助:これで足りねえのは飛影だけか。アイツは来てねえんだな。
蔵馬:ああ、これにも色々と事情がありまして。
幽助:てか、飛影は相当忙しいんだろ?
蔵馬:ええ。主要メンバー四人の中で、今一番忙しいのは、恐らく彼でしょうね。
幽助:何か信じられねえな。一番アウトローなヤツが、今は一番の仕事人間だもんな。
蔵馬:ははは、人間ではないですけどね。根が真面目なんですよ、彼は。雪菜ちゃんに対する姿勢とか、みていたら分かるでしょう?
幽助:ま、確かに。
蔵馬:「どうでもいい。」とか、「俺には関係ない。」とか、無理してアウトローを気取っておかないと何でも背負い込み兼ねない自分の性格が怖いんでしょう。その点、オレなんかは気楽なもので。
幽助:え。蔵馬って、結構「真面目くんキャラ」なんだと思ってたけど。
蔵馬:(だからキャラって。。。)真面目どころか、不真面目もいいところですよ。閑さえあれば、サボることばかり考えてますから。
幽助:(ホントかよ。)
蔵馬:何せ高校時代なんて、出席日数はいつもギリギリで、学費を滞納していなかったから卒業できたものの、成績が悪かったらどうなっていたか分からないですからね。
幽助:いやー、そうはみえねえけど……。
蔵馬:でしょう?
幽助:は?
蔵馬:結局、要領がいいんですよね。昔から。最短距離で、今選択し得る最も簡単な方法を探し出し、可もなく不可もなくやってのけてしまうという。
幽助:まー、最終的にはイメージの問題か。オレのあの頃の素行に比べりゃってはなし。
蔵馬:というより、オレの目からみれば、あなたも相当「真面目くん」ですよ?(と苦笑。)
幽助:そおかあああ??
蔵馬:そうですよ。口では厭だといいながら、あの小さいオジサンのいうなりになって霊界探偵としてきっちり働いて、しかも無償で……。
幽助:ち、ちいさいおじさん?
蔵馬:ああ、何でしたっけ、あのヒトの名前?
幽助:なあ……、前から気になってたんだけど。おめえとコエンマって、実は仲悪い……?
蔵馬:仲良くする意味が分かりませんね!
幽助:(蔵馬、キャラが。。。)
蔵馬:そんな引いた顔しないでください。「霊界と」という意味です。オレも、魔界ではそれなりに名の知れた盗賊です。霊界の幹部と、仲良くできる訳がない。……これは性格というより、ポリシーの問題です。
幽助:ポリシーね……。で、元霊界探偵だったオレと仲良くするのはいいのか?
蔵馬:あなたが闘神雷禅の末裔でよかった。(と笑う。)
幽助:……。←引いている
蔵馬:(なぜだー?)
幽助:っていうか、躯はフツーに来てんだな。きいたはなしじゃ飛影と同じかそれ以上に忙しい筈だけど。
蔵馬:ああ……、彼女、今日は婚活らしいですよ……。
幽助:(トンカツ?)
蔵馬:いい機会だから、少しはなしをしていったらどうですか?癖のあるヒトですけど、あれでなかなか面白い。そう、昔のオレみたいに──
といっている側から、隣室と当室を隔てるドアをノックする音が。
開けますか?
幽助:ああ、構わねえけど。(って、オレも誰としゃべってんだ??)
ドアが開きました。
半分だけ、顔が覗きます。
躯:おばちゃんも混ぜて? ※隣合っている限り、行き来は自由
蔵馬・幽助:(おばちゃん……。)
仕切り直してください。
蔵馬:(無茶振りだ!)
躯:達者なようだな、雷禅の息子?
幽助:はは、息子って程息子だった訳じゃねえけどな。あんたは、何、婚活だってきいたけど?
躯:それは人間界に出向くための、ただの名目だ。オレの子分共は、オレの動向にいちいち口を出す。まったく、どこに行こうとオレの勝手だろうが、生娘じゃあるまいし……。
蔵馬:生娘じゃなくても心配はしますよ。幾ら魔界で五本の指に入る手だれでも、彼らにとってあなたは、自分の命を賭すこともいとわなかった自国のお姫様なんですから。
躯:お姫様!?ふん、冗談じゃない!気持ち悪くて鳥肌が立つぜ。
蔵馬:やれやれ。これだから困りますね、男心の分からない女主は。←あんたにいわれたかない
幽助:てか、婚活なら別に、奇淋でいいじゃん。ツンデレなんだろ。
蔵馬:(ツンデレ!)
躯:つんでれって?(と蔵馬をみる。)
蔵馬:オレにきかないでください。。。
躯:ふん。オレのことばかりいうが。おまえたちはどうなんだ?
幽助:は?オレらって?
蔵馬:ああ、彼(幽助)はもう、特定の女性が居ますから。
幽助:とくていのじょせーって、オイ、蛍子はそんなんじゃねえぞっ。
蔵馬:オレ、まだ名前いってませんけど?(と笑う。)
幽助:。。。。。
躯:ほう。流石に雷禅の息子だな。その若さで、既に決まった女が居る。
幽助:だからそんなんじゃねえって。
蔵馬:往生際が悪いですね、幽助?
幽助:おめえだってヒトのこといえた立場かよっ。
蔵馬:え。オレはいつだってフリーの寂しい男ですよ?
幽助:誰が淋しい熱帯魚でえ?つき合ってんだろうが、桑原と?
蔵馬:だからつき合ってないって……。
躯:何だ、おまえは黄泉の他にも愛人が居たのか?
蔵馬:愛人じゃない、愛人じゃない……。
幽助:え、黄泉ともつき合ってんのか??
躯:ああ、そうらしい。とんだ二股野郎だ。
蔵馬:二股じゃないし。
幽助・躯:じゃあ、どっちが本命なんだっ?←興奮ぎみ
蔵馬:(息ぴったりだな。。。)どちらも本命じゃありません。……まったく、あなたたちはオレのことを何だと思っているんですか。
幽助:え。何って。
躯:(オヤジ・キラー?)
蔵馬:そこ。小さい声でいってもきこえてる。
幽助:っていうか、どちらも本命じゃねえってことは、実はどっちも遊びってこと……?
蔵馬:はい??
躯:そうか。人間界の若い男と魔界の昔の男を両天秤にかけ、××な行為を武器にたらし込んでいるのだな……。
蔵馬:(だから伏せ字!)
幽助:うああ、くわちゃんかあいそお。
躯:確かに。流石のオレでも黄泉には同情するぞ……。
蔵馬:あの、それ以上いうと、本当にキレますよ??
幽助:……。
躯:……。
蔵馬:?
幽助:まー、冗談はこれくらいにして。
躯:少しいじり過ぎたか。
蔵馬:(示し合わせていたのか!)
躯:ん、どうした?
蔵馬:……仲良しなんですね、二人共。
幽助・躯:いやあ、それほどでも(照)。
蔵馬:(照れてる!!)
では、隣室に移動してください。
躯:おいおまえ。
蔵馬:はい、まだ何か……?
このはなしの余談です。
躯:……ふうん、なるほどな。
蔵馬:?
躯:やはりソイツが本命か。
蔵馬:その手には引っかかりませんよ?
躯:ん?何のことだ?
蔵馬:オレの口からあの男の名を出させたいのでしょう?
躯:ほう。
蔵馬:え?……あ。
躯:くくく。案外単純なのだな。……おまえが「あの男」と呼ぶのは、あの男しか居ない。
蔵馬:……。
躯:「愛人じゃない。」。その裏は、「もっと別の関係を望む。」ということか。
蔵馬:余計な詮索です。オレは、何も望んではいない。
躯:そうか。
蔵馬:ええ。そして、望んではいけないとも思っている。少なくとも、あの男がオレを望まない限りは。それに、あの男にはかわいい息子がいて、今オレが何をいったところで、多分それどころじゃないですよ。
躯:ふふ。本心から望むものを自ら制限しているときは、そうして何かと理由をつけたがるものさ。
蔵馬:……。
続く ...
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